ある年齢を境に、どなたでも必ず経験するのが「老眼」です。自分自身が現在遠近両用をかける年齢になってはじめて老眼の不便なことを強く実感するものです。多くのメガネ店のホームページには、老眼というと眼のピントの調節機能低下のことが書かれています。もちろんそうなのですが、眼の老化はピントの調節機能という結像系だけでない部分もあります。ここでは数回に分けてできるだけポイントを絞って解説しましょう。
まずレンズを通して物体を写したときのピントの状態について述べてみます。光学系の合焦すなわちピントが合っている状態とは①のようになります。赤線は輝度の低いところと輝度の高いところを走査しています。下の図②は輝度変化をグラフで示しております。すなわちこの矩形の低いところほど輝度が小さく、高いところほど輝度が大きいことを意味します。ピントが合っている状態とは、このように輝度変化が極めて急峻な状態です。
それに対してピントが合っていない場合の輝度変化状態を示しているのが③です。①にくらべて輝度の高いところと低いところの境界部分がぼけているのがおわかりでしょう。この輝度変化をグラフで示したのが④となります。②と比較すると矩形の角(破線部分)がわずかに滑らかになっています。ピントが合わない状態はこの部分の変化が滑らかなために物体や文字の輪郭のコントラストが不鮮明になっています。老眼だけでなく、近視の状態でも光学的にピントが合わない状態とはこのような特性を示します。この内容はまだまだ続きます....
メガネショップ J-EYE

|