眼球に内在するブルーライト吸収特性
水晶体についてネットを検索していたところ、ブルーライト問題で重要な内容を含む
「人間の眼の光学的特性と劣化」 というサイトに遭遇しました。何故これほどの内容がこれまでマスコミで話題に上がらなかったのか不思議なくらいです。
加齢によりヒトの水晶体は次第に黄色くなることが知られています。上記サイトの筆者が述べているように角膜も水晶体も硝子体も個別の分光特性があり、さらに加齢劣化によりその透過特性が変化します。
生まれたばかりのヒトの眼球であっても波長460nmの青色光の透過率は約75%(CIE)ほどであり、最も透明度が高い状態でも25%吸収されているのです。これは人間が進化の過程で備わった太陽光から眼を守る保護機能の1つでしょうか。
やがて眼球は20才あたりから加齢劣化の影響が始まり、水晶体の黄変等はブルーライトと補色関係があることから、眼球の光学的特性にある種のブルーライト耐性的な要素が伺えます。現実には加齢だけでなく疾病による水晶体や硝子体の混濁等の影響でも短波長光が吸収されるものと思われます。
(Fig-1)に年齢別の青色光(460nm)減光率を解り易くピックアップしてみました。
( Fig-1) 年齢別/眼の加齢劣化と青色光減光率
この特性から、ある年齢の透過率[A(実数)]のヒトが、ある透過率[B(実数)]のブルーライト用レンズを使用した場合の理論上の減光率(C%)は、C=(1-(A×B))×100で導き出すことができます。ただしCIEの測定規格とブルーライト用レンズの測定規格を一致させて計算する必要があります。
いずれにしても網膜に到達するブルーライトは公表されている特定規格(JIS T7333等)以上の減光率を持っているようです。
400~460nmはさらに下がることから、エネルギーの強い青色光の大半は眼球内の各デバイスで吸収されることが理解できました。
しかしこれだけブルーライト領域光が吸収されてもLED液晶モニターによる眼の疲れが有るとしたら、それは単にブルーライトだけを問題視することにいささか無理が有ります。眼の視感度が最も高い領域はブルーライト領域ではないからです。この内容は今後アップする新しいページで詳しく述べる予定です。